はじめに
 大きな疑問がある。
 日本のMVPの判断基準は何か?ということだ。
 実例を交えて、おかしな日本プロ野球のMVP表彰を見ていく。
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事例1 2007年 小笠原道大と高橋由伸
 まずは、2007年のセリーグMVPについてである。
 この年、MVPを獲得したのは巨人に移籍してきて1年目の小笠原道大である。
 この年は、ジャイアンツが2002年以来のリーグ優勝を決め、小笠原の存在がそれを大きく引き寄せた。
 この年の小笠原道大の打撃成績は、142試合に出場し、打率.313 本塁打31本 打点数88 出塁率.363 OPS.902であった。
 移籍1年目でこれだけの成績を残したことに、誰もが凄いと思ったことだろう。
 しかし、この小笠原道大を上回る成績を残したにも関わらず、MVPを受賞できなかった選手がいた。
 高橋由伸である。
 高橋由伸の2007年の打撃成績は、133試合に出場し、打率.308 本塁打35本 打点数88 出塁率.404 OPS.982であった。
 打率こそ小笠原の方が上ではあるが、打点数は同じであり、他の打撃成績も小笠原より圧倒的に上である。

 説明が遅れたが、OPSとは、セイバーメトリクスの指標の1つで、"出塁率+長打率"で算出される率である。
 その数値は得点との相関性が非常に高く、得点との相関性は高い順にOPS>出塁率>打率という関係があり、OPSが高い選手ほど得点に絡む確率が高いと言える。
 これまで、ボテボテのヒットでも快心のホームランでも同じヒット1本と数えられ、算出されてきた打率をさらに広げ、一塁打から本塁打まで評価できる「長打率」、それと四死球を含む出塁率を合算することにより、一塁打、二塁打、三塁打、本塁打、四球、死球、守備妨害など打席で起こり得ること全てを評価できる、画期的な指標がこのOPSである。

 OPSは.900を越えればスター選手という一般的な経験則がある。
 小笠原に関してもOPS.902はまさにスター選手と言っていい成績ではあるが、高橋由伸のOPS.982はあまりにも高い数値である。
 MVP確実と言われるのはOPS1.000あたりであるため、高橋由伸はまさにMVPに選ばれなければならなかったのである。
 しかもこの年、高橋由伸はゴールデングラブ賞に選出されている。 名だけで選ばれるゴールデングラブ賞 (リンク) を書いたため、このゴールデングラブ賞は意味を持つとは思えないが、MVP投票する側からしたら、守備も評価していたということでもある。
 日本プロ野球の表彰は全く勝手なものである。適当に「高橋由伸は守備が上手いからゴールデングラブ」しかし「守備を考えないでインパクト的にMVPは小笠原」のようなカタチで選んだとしか思えない。

 私情を挟まず、俯瞰して成績を見れば、高橋由伸がMVPを取るべきであった。
 これが1つ目の事例である。

事例2 新井貴浩と鈴木誠也
 2016年のパリーグMVPは大谷翔平であった。大谷は二刀流を見事にシーズンを通して貫き、MVP受賞となった。この受賞に関しては賛同する人は多いだろう。 
 しかし、セリーグMVPは新井貴浩であった。
優勝チームからの選出という点については、的を得ているため、疑問を持つ人は少なかったかもしれない。
 新井貴浩の2016年の成績は、132試合に出場し、打率.300 本塁打19本 打点数101 出塁率.372 OPS.857であった。

 優勝チームである広島カープから選出するとした場合、例年ならこの成績でもなんとか受賞できると言える人もいるだろう。
 しかし、2016年MVPは同じく広島カープの鈴木誠也が受賞するべきものであった。
 鈴木誠也の成績を見ればそれはわかるだろう。
 129試合に出場し、打率.335 本塁打29本 打点数95 出塁率.404 OPS1.015である。
 新井貴浩との成績をよく比較してほしい。
 打点以外の成績は、圧倒的に鈴木誠也の方が上なのである。
 OPSに関しては、.900を超えるとスーパースターと言える世界において、1.000を超えているのである。
 新井貴浩は内野手だから、そこを評価されたのだろうか?
 いや、鈴木誠也は、この年ゴールデングラブ賞に選出されているため、その線はないだろう。 

 一体、MVPを決める側は何を見ているのか、本当に聞きたい。
 成績ではない?インパクト?移籍してきて活躍したから?
 謎だらけである。
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まとめ
 今後は、応援するファン側は、MVP受賞という経歴はほとんど意味を持たないと思っていい。思わなくてはいけない。
 それよりも客観的なホームラン数、打率、出塁率、OPSなどの指標を見て、いい選手かどうかを見極める必要がある。

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