はじめに
 丸佳浩の巨人へのFA移籍が決まり、広島カープは戦力を大幅にダウンさせられた。
 最強の戦力である丸佳浩は、出塁率、本塁打数、OPS、そして聞き馴染みのないであろうwRAAやwRCなどでリーグトップクラスの成績を残している。
 丸佳浩が抜けたことによる広島カープのダメージは大きい。
 広島カープは2019年シーズン以降は大丈夫なのだろうか?
 本記事では、「2018年の広島カープのチーム状況はどうだったのか?」「丸佳浩のFA移籍による2019年以降の広島カープのチームへの損害は何か?」ということを数字を交えて述べていく。   

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広島の野手
 まず広島カープの2018年シーズンのチーム状況を見てみる。 
 広島カープは2018年シーズン、リーグ最高の721得点を記録した。
 広島カープの売りは打撃であり、2018年シーズンは丸佳浩、鈴木誠也、會澤翼、田中広輔の4人の打撃成績が特に光った。
 丸佳浩と鈴木誠也はOPSを1.000を上回る成績を残していた。
 OPSとは「出塁率+長打率」で算出される成績で、打率や出塁率よりも得点との相関が強いため、重宝されているものである。
 一般的にOPS1.000を上回ればMVP級と言われ、広島カープは丸佳浩と鈴木誠也という2人のMVP級の選手を抱えていたことになる。そのため、丸佳浩
セリーグMVPは納得のいく選出であったと言える。
 捕手の會澤翼も、打率.305 出塁率.401 OPS.893 wRAA 30.68を記録し、セリーグで最も打てる捕手という地位を築いた。
 wRAAとは「平均的な打者が同じ打席数に立った場合に比べ、何点の得点を増やしたか?」を示す指標で、20.00を上回れば非常に優秀と評価される。 
 田中広輔も遊撃手でありながら、全143試合に出場し、打率.262 出塁率.362 OPS.745 wRAA 24.91を記録し、正遊撃手として実力を示した。    


広島カープの投手
 打撃とは裏腹に、2018年シーズンの広島カープは投手陣が不安定であった。
 広島カープのチーム防御率は4.12でリーグ3位。しかもチーム防御率リーグ4位のヤクルトが4.13であるため、紙一重の差であると言っていい。
 防御率のリーグ平均がおよそ4.11であるため、広島カープの投手陣は平均的な成績しか収めていない。
 特に先発投手の防御率が4.26であったため、先発投手に不安要素があった。

丸佳浩の巨人移籍
 リーグトップの打撃陣を誇っていた広島カープであるが、丸佳浩が巨人へ正式に移籍し、広島カープに空いた穴は非常に大きい。
 丸佳浩のwRAAはおよそ60.82であり、平均的な打者が丸佳浩と同じ566打席に立った場合と比べ、丸佳浩はおよそ60〜61点もの得点を増やしたことになる。
 丸佳浩のwRAAはリーグトップであり、広島カープは最強の戦力を失ったことになる。
 鈴木誠也や會澤翼のwRAAも30.00を上回るが、丸佳浩はその倍の得点数を稼いでいたとwRAAから計算することができる。(wRCなどの算出をすることも可能であるが、wRAAで説明する。)
 

2019年はどうなる?
 簡単に計算してみると、広島カープは丸佳浩のFA移籍に伴い、外野に空いた穴を平均的な打者で埋めたとする。
 その場合、およそ広島カープは60点〜61点の得点を失う計算になる。
 広島カープの2018年のチームの得点数は721得点であるため、ここからおよそ60点を引けば、チーム得点数は661点にダウンする
 この得点数は、リーグ2位の勝率を誇るヤクルトスワローズの658点とほぼ変わらない成績になる。
 さらに、丸佳浩を獲得した読売ジャイアンツの2018年の625得点60点をプラスすると、読売ジャイアンツの得点数は685点に大幅アップする。
 読売ジャイアンツの外野手では長野久義と亀井善行以外は外野手のレギュラーがいないため、平均的な打者に近い陽岱鋼やゲレーロなどの外野陣を切り捨て、単純に丸佳浩をレギュラーを固定することで、得点数を60点アップさせることは十分可能である。
 つまりセリーグの得点数は、

1位 巨人 685点
2位 広島 661点
3位 ヤクルト 658点

といったカタチになる。
 丸佳浩のFA移籍により、広島カープの磐石な得点能力が削ぎ落とされてしまったことになる。
 得点力はリーグ1位が読売ジャイアンツとなり、2位が広島カープになる。
 さらに、2018年のチーム防御率は読売ジャイアンツが群を抜いて1位の3.79であるため、単純計算ではあるが、チーム得点数とチーム防御率の両方で読売ジャイアンツはリーグ1位となり、勝率1位の広島カープの牙城は崩れることになる。
 鈴木誠也、會澤翼、田中広輔の存在も広島カープにとって大きなものであるが、丸佳浩の存在はそれ以上のものであったと言える。 

 これらが、丸佳浩が巨人へFA移籍したことによる広島カープの大きな損害である。
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まとめ
 以上が、丸佳浩がFA移籍したことによる広島カープの2018年のチーム状況と2019年以降のチーム状況である。
 もちろん、2018年シーズンのデータを使って計算をしたため、2019年シーズンを完璧に予想するのは不可能である。
 しかし、丸佳浩を獲得しただけでも読売ジャイアンツは圧倒的有利の立場にいる。
 それに付け加え、投手では岩隈久志、野手では中島裕之ビヤヌエバ炭谷銀仁朗を獲得している。
 炭谷銀仁朗は得点力にそれほど影響を与えないが、中島裕之やビヤヌエバは未知数であり、巨人に多大な得点をもたらす可能性はある。
 岩隈久志も投手補強の最重要人物であろう。   
 丸佳浩の広島カープからの退団と同時に、巨人は大きな利益を得た。
 それらによる広島カープの損害は想像以上に多大なものである

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参考にしたサイト
1.Wikipedia
2.日本野球機構,NPB.jp

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