野球を数字で見るブログ

本ブログで、「野球を数字で見る」面白さがわかります。 主に、日本プロ野球での成績を数字で見て考察します。 本ブログで扱うデータに関して、正確性は保証されておりません。本ブログの情報を元にデータを作成して起こる損害に対しまして、一切の責任を負いません。ご了承ください。

カテゴリ: プロ野球

はじめに
 中日ドラゴンズがドラフト1位で引き当てた大阪桐蔭高校の根尾昂内野手。
 本記事では、その根尾昂内野手の通算成績とまではいかないものの、2017年と2018年の夏の甲子園までの、比較的大きな大会での成績、打率、打点、本塁打、そしてちょっとしたセイバーメトリクスの成績も評価していく。
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成績一覧
 サンプルとする2017年途中から2018年夏の甲子園までの8大会での根尾昂内野手の打撃成績は、出場28試合 打席数111 打率.382 本塁打6本 打点数25 出塁率.495 IsoP.213 OPS1.090 BABIP.429 である。

打率
 8大会での通算打率は.382である。
 ショートとしては非常に高い打率である。
 打率に関しては文句の付け所がない。
 ミートポイントの広い金属バットを使用していることを差し引いても、圧倒的なミート力があることは確かである。

IsoP
 意外と知られていない指標がIsoPという指標である。
 IsoPとは純粋な純粋な長打力を表す指標であり、「長打率−打率」で簡易的に計算できる。
 これは長打率とは別の長打を打つ能力を測る指標である。
 長打率の場合、二塁打や本塁打を打てなくても、極端な話100打数100安打で安打が全てシングルヒットならば長打率1.000となるが、そのような打者は決して長打を打つ能力があるとは言えない。
 そこで、二塁打、三塁打、本塁打のみを考慮し、単打を排除して得られる率を考えた方が長打を打つ能力を示すためには都合が良いということで考え出された指標である。

 根尾昂のIsoDは.213であり、これはプロ野球に置き換えた場合、全野手のベスト15にはランクインする成績である。
 長打を打つ能力が非常に高いことを示している。 
 

出塁率
 さらに、根尾選手は111打席に立ち出塁率は.495ある。
 この数値も圧倒的である。
 出塁率は四球数に大きく依存する。
 名著であり、映画化もされた「マネーボール」の言葉を借りれば、

 「ストライクゾーンをコントロールできる能力が、じつは、将来成功する可能性と最もつながりが深い。
そして、ストライクゾーンを操る術を身につけているかどうか、最もわかりやすい指標が四球の数なのだ。」

 つまり、根尾選手は圧倒的にストライクゾーンをコントロールできる能力を身につけていることになる。自分のストライクゾーンをよく理解していると言い換えられる。
 この数字は、凄いという言葉では表現できないほどの好成績である。
 メジャーリーグでのイチローの場合、根尾選手に似たような打率を残してきたことはあるが、そのイチローですら、メジャーリーグで出塁率.400を越したことは1度しかない。
 そう考えると、根尾昂はどれほどのポテンシャルを持っているのかが分かるだろう。

OPS
 OPSとは、セイバーメトリクスの指標の1つで、"出塁率+長打率"で算出される率である。
 その数値は得点との相関性が非常に高く、得点との相関性は高い順にOPS>出塁率>打率という関係があり、OPSが高い選手ほど得点に絡む確率が高いと言える。
 一般にOPSは.900を越えれば優秀、1.000を越えればプロ野球ではMVP級であると評価される。
 そんな中、根尾選手の111打席でのOPSは1.090という数値であった。
 これも圧倒的な数値である。
 特に、第100回夏の甲子園では、OPSは1.600を超えている。バリーボンズよりもいい成績である。
 通算の長打率も.580に迫る勢いである。

 かなり打てる、ということはここまでで分かると思う。

BABIP
 ただし、夏の甲子園でのBABIPは.400を超えていた。
 BABIPとは「ホームランゾーン以外に打球が飛んだ時の打率」であり、セイバーメトリクスでは”運”を評価するときに使用される。
 打者の場合、BABIP.300を超えると”運がいい”とされ下回ると”運が悪い”と評価される。
 つまり、まさに運で打った「ボテボテの内野安打」でも、力で打った「快心の二塁打」でもヒットには変わりはないため、BABIPが大きな値の場合は、運で打った打球の割合が顕著に示されるだろうということだ。
 根尾選手が、BABIP.400を超えていたというのは、確かに運が多少はあったのかもしれない。
 高校野球の相手チームの守備力に大きく依存するからだ。
 プロ野球の守備力を考えた場合、成績は落ちることは間違いなく起こり得る。

 しかし、根尾選手はホームランが打てる打者である。
 BABIPでは本塁打を含まず、本塁打は運とは無関係としている。
 そのため、実力は確かにある。
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まとめ
 根尾昂内野手の成績を見てきたが、総括すると「運の要素がある程度強いが、打率が残せ、ストライクゾーンをコントロールできるほどの選球眼を持ち、長打も打てる遊撃手」と評価できる。
 中日ドラゴンズは現在は比較的弱いため、新人の出場機会は多いだろう。
 そのため、根尾昂内野手が中日の一軍選手としてグラウンドに立つことは、案外近い内に起こり得ると考える。

関連記事


参考にしたサイト
記事終了


はじめに
 一般的に、本塁打の多い選手は三振が多いと言われる。
 例えば、2013年に日本のプロ野球記録を塗り替え、60本の本塁打を放ったヤクルトのバレンティンはその年547打席に立ち、三振が103個あり、比較的三振が多い方に分類される。
 逆に、単打ヒッターの典型例であるメジャーリーグのイチローは、メジャー1年目で738打席に立ち、三振数が53個と非常に少ない。
 この例だけをみると、確かにスラッガーは三振が多く、単打ヒッターは三振が少ないと読み取れるが、実際に多くのサンプルがないと、一般論にはならない。

本記事では、「スラッガーは三振が多いのか?」もしくは「スラッガーは三振が多いというのは、ただの印象なのか?」の2つのどちらが正しいのかを調べていく。
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三振と本塁打の分布 
 サンプルとして、日本プロ野球セリーグの2015年から2018年の計4シーズン分のデータの中で、規定打席に到達した延べ110人の選手データを元にする。
 まず、
下の図のように三振と本塁打の散布図を描いてみる。

三振と本塁打1

 グラフを見ると、全体的に満遍なく分布していることが何となくわかると思う。
 三振と本塁打数の相関係数はおよそ0.382という数字になり、とても低い相関にあった。 この満遍なく分布しているという事実が、三振と本塁打の相関性が低いということである。

相関係数とは?
 少し説明に入るが、相関係数0.00の場合は物事Aと物事Bが全く関係性がないものであり、1.00の場合は物事Aと物事Bが完璧に関係性があるものとされる。
 
例えば「本を読めば読むほど、野球の打率が上がる」などということが相関係数が0.00に近い、すなわち全くと言っていいほど関係がないということである。
 逆に、相関係数が1.00の場合は、「ランニングすればするほど、カロリーを消費する」という直接関係のあるところに位置し、相関係数が1.00に近いということになる。
 つまり、
相関係数が0.00から1.00に近づくに従って、「1つの物事A」と「もう1つの物事B」の相関が出てくる、すなわちAとBが関係してくるということである。 

 上記で説明したことを考えると、三振と本塁打の相関係数が0.382という数字になるということは、0.00〜1.00の範囲内では0.00寄りであり、”弱い相関”にあると言える。
 実際に散布図でも本塁打が30本近くあっても三振が50個ほどしかない選手もいれば、本塁打が1本でも三振が100個近くある選手もいる。
 つまり、相関係数と散布図から、本塁打の多くても三振が多いとは言い切れないということがわかる。

三振と長打率の分布
 ここまで、三振と本塁打の関係を見てきたが、三振と長打率ではどうだろうか?
 スラッガーは「ボールを遠くに飛ばせる選手」を指す言葉であるため、本塁打を打つだけではなく、二塁打や三塁打を打つ選手も広い意味でのスラッガーであると言える。
 長打率との関係を見るために、三振の個数ではなく”三振の率”、つまり打数の内の何個が三振になるのかを横軸に取る。
 それを描いたのか下図である。

三振と長打率1

 この散布図も満遍なく広がっていることがわかると思う。
 実際に、相関係数はおよそ0.260であり、長打率と三振率は非常に低い相関関係にあることがわかる。 
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まとめ
 本記事は少々難しい話をしたかもしれないが、以上のことを総括すると「本塁打、長打を打てる選手は三振が多いわけではなく、スラッガーは三振が多い、というのはただの印象であり事実とは違う」と言える。

関連記事

参考にしたサイト
1.日本野球機構,NPB.jp
2.Wikipedia

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はじめに
 チームの守備力を評価するとき、日本では守備率を見ることが多い。
 ただ、守備率で評価すると失策のみに焦点を当ててしまうため、守備範囲などの評価はできない。
 守備力をするときはUZR(Ultimate Zone Ratingの略)で個人成績を評価することが最も客観的である。
 しかし、UZRは多大なデータと簡易的でない数値計算を要するため、個人が算出することは難しい。
 そこで本記事ではDERと呼ばれる指標で、個人成績ではなく、チーム成績において、セリーグの球団の守備能力をランク付する。
 どのチームが最も良かったか?どのチームが最も悪かったのか?を見ていくことにする。
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DERとは?
 DERとは、Defensive Efficiency Ratioの略で守備効率などと言われる指標である。 この指標は「グラウンドに飛んだ打球の内、どれくらいの割合でアウトにできたか?」を意味する。
 計算式を書けば、

DER

 といった式になる。(少し見にくいが…)
 「グラウンドに飛んだ打球でアウトになったもの」が分子になり、「本塁打以外のグラウンドに飛んだ打球」が分母になる。
 直感的に「グラウンドに飛んだ打球の内、どのくらいの割合をアウトにできたか?」という認識で問題ない。
 この指標により、「チームとしてどれだけ守備で打者をアウトにできたか?」がわかるためチームの守備を見るための指標としては十分なものである。

チームランキング 
ここからセリーグのチームランキングを見ていく。
早速DERランキングを下に示す。

DERランキング
1位 中日ドラゴンズ  DER 0.699
2位 読売ジャイアンツ DER 0.691
3位 広島東洋カープ DER 0.684
4位 ヤクルトスワローズ DER 0.681
5位 横浜DeNAベイスターズ DER 0.675
6位 阪神タイガース DER 0.671

中日が最も良い
 意外なことに、防御率が最下位の中日ドラゴンズが最も良いDERを残すことができた。
 これは中日ドラゴンズがいかに本塁打以外での守りで良い結果を出していたかを知ることができる。
 ではなぜ中日ドラゴンズの防御率が悪いのか?
 それは様々な理由が考えられるが、1番大きな要因は被本塁打の多さであろう。
 中日ドラゴンズはリーグワーストタイの149本の本塁打を打たれている。
 被本塁打はDERの要素には含まれない。守備では当然防ぎようがないからだ。
 中日ドラゴンズの野手陣は守備の能力が非常に高いということをDERが示しているが、投手が本塁打を浴びることにより、失点して防御率が最下位になったと言える。
 つまり、中日の課題は野手の守備力を上げることではなく、投手の被本塁打の数を減らすことに尽きるのだ。

他のチームは? 
広島カープ
 リーグ優勝の広島カープはDERでは3位という結果になった。
 チーム防御率もリーグ平均とほぼ同じ4.12である。
 つまり、広島カープは野手の守りで勝ったわけでも、投手の力で勝ったわけでもなく、野手の力で勝ったと言えるのだ。
 実際に、チーム得点数721点で群を抜いて1位である。

読売ジャイアンツ
 読売ジャイアンツ(巨人)の場合、チーム防御率が1位であり、DERが2位という結果になった。
 これは投手の能力と野手の守備力が合致した結果と言っていい。
 エース菅野智之をはじめとした投手陣が売りのチームであったが、実は守備に助けられた場面も多かったと考えられる。 

ヤクルトスワローズ
 ヤクルトの場合、リーグ戦では優勝を逃したが順位は2位でクライマックスシリーズ圏内を余裕で入り込んだチーム力がある。DERは4位得点数はリーグ2位であるため、比較的バランスの取れたチームであると言える。
 打撃面では山田哲人、バレンティンなど球界屈指の打撃陣を擁する。
 守備と打撃のバランス
は取れているが、DERは4位からさらに上をいく守備を見せることができればリーグ優勝も不可能ではない。 

横浜DeNA
 横浜の場合、チームとしてクライマックスシリーズに進出できなかったが、その要因の1つはDERの悪さと言っていいかもしれない。DERは5位、防御率も5位であり、得点数は最下位である。チームの柱として東克樹が新人王に輝いたが、野手の守備力を磨けばチーム防御率を格段に上げることができ、得点が取れなくても勝てるチームになれる可能性はある。

阪神タイガース
 阪神の場合は、DERが最下位であり、ペナントレースで17年ぶりの最下位を経験した。
 チームの守りから固めていくことが必須になる。
 得点数はリーグ5位であるが、チーム防御率はリーグ2位である。
 防御率はリーグ2位であるのだが、1位の巨人防御率3.79であるのに対し、阪神4.06であり、かなりの差を付けられている。さらに防御率3位広島防御率4.12とそれほど差がない。
 防御率2位であっても抜きん出た防御率ではないため、課題は打撃、守備、投手の全ての底上げであろう。
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まとめ 
 以上のようにチームの守備力を示した。
 中日ドラゴンズが意外にも1位の守備力を持っているため、来年のダークフォースと思っていいかもしれない。
 他のチームに関しても打撃と守備のバランスが取れれば、クライマックスシリーズを争えるチーム力が間違いなく付くはずである。
 2018年シーズンのように、圧倒的な差をつけられて4位以下に沈むチームが現れては、野球が面白くなくなってしまうため、各球団は課題を明白にし、チーム力を上げるべきである。

関連記事


参考にしたサイト
1.Wikipedia
2.日本野球機構,NPB.jp 

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