野球を数字で見るブログ

本ブログで、「野球を数字で見る」面白さがわかります。 主に、日本プロ野球での成績を数字で見て考察します。 本ブログで扱うデータに関して、正確性は保証されておりません。本ブログの情報を元にデータを作成して起こる損害に対しまして、一切の責任を負いません。ご了承ください。

タグ:優勝

はじめに
 2019年シーズン、9月21日の試合で巨人は2019年セリーグ覇者になった。
 2014年以来、5年ぶりの優勝である。キャプテンの坂本勇人の涙が印象的であった。
 苦しいシーズンを乗り越えた巨人は現在、最高のチーム状態を築いている。
 そんな中で、巨人のリーグ優勝を支えた選手を野手と投手のそれぞれ1人ずつ紹介していきたい。
 チームスポーツであるため、巨人の選手は全てが功労者であるが、特出した選手を本記事では紹介していく。
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キャプテン 坂本勇人
 やはり打者で最も活躍した選手と言えば、坂本勇人をおいて他にない。
 MVP筆頭であり、ショートとキャプテンを務める坂本勇人の成績を3つほど紹介する。
 
本塁打

 今年の坂本勇人を象徴する成績は間違いなく本塁打の数であろう。
 2019年シーズンのリーグ優勝時点で坂本勇人は39本塁打を放ち、シーズンで40本塁打以上を打つペースで本塁打を量産している。
 42本の本塁打を放てば、元中日ドラゴンズの宇野勝が1985年に記録した遊撃手の最多本塁打記録である41本塁打を上回る。
 残りの試合数を考えると、この記録を塗り替えるには2試合に1本塁打を放たなければならないが、決して不可能な話ではない。
 2019年シーズン、なぜ坂本勇人はこれほど本塁打を量産できるようになったのかは定かではないが、坂本勇人は本塁打の多い打者の特徴を示している。それは三振の数である。
 坂本勇人の三振の数は、自己ワーストで2009年の101三振である。
 だが、坂本勇人は2019年シーズンのリーグ優勝時点で三振数が119もある。自己ワーストを更新した数字である。
 過去に本ブログで三振と長打の相関(記事リンク)を表したことがあった。その記事では、およそ相関係数が0.382を記録していた。難しい話はここではしないが、簡単に言うと長打を打つことと三振が多いことはある程度セットで考えてもいいと言える。 
 これらの結果から言えることは、坂本勇人は例年にも増して長打を打つ意識が強く、その結果として本塁打が多くなっていると考えられる。
 いずれにせよ本塁打は打者の最も重視すべき指標の1つであるため、坂本勇人の本塁打の数は非常に優れていると言って良い。  

OPS

  2つ目としてOPSが挙げられる。
 OPSとは「出塁率長打率」で算出される数字で、打率や出塁率よりも得点との相関が強い。一般的にOPS.900を上回ればスター選手であり、OPS1.000でMVP級の成績であると経験的に言われている。
 坂本勇人のOPSは2019年シーズンのリーグ優勝時点でOPS.972であり、この成績は広島カープ鈴木誠也に次いでリーグ2位の成績である。
 この成績も遊撃手としては異例である。
 過去に西武ライオンズ時代の松井稼頭央が残したOPS1.006が遊撃手の最高記録であるが、その成績に追い付くレベルの成績である。
 歴代最高の遊撃手の異名を持つ松井稼頭央に追いつき、坂本勇人が誰もが認める歴代最高の遊撃手と言われる日は近いのではないか、と思わせられる。
 特に坂本勇人はOPSに大きく関係する出塁率でも大きくチームに貢献している。
 坂本勇人の出塁率は優勝を決めた時点で.394でありこれはリーグ4位の好成績である。
 出塁率は牽制死や盗塁死などを除けば、アウトにならない確率であるため、チームへの貢献が如実に現れる。
 リーグで4番目にアウトになりにくい打者となると、相手チームからの警戒と自チームからの信頼は高くなる。

 坂本勇人が圧倒な数字でチームの勝利に貢献していることがわかる。
   

wRAA
 坂本勇人を物語る最後の数字はwRAAというものだ。
 wRAAとは、「平均的な打者が同じ打席数立った場合に比べて増やした得点」を表す指標である。
 難しい説明はせず、実例を見ていこうと思う。坂本勇人が2019年シーズンのリーグ優勝時点で残しているwRAAはおよそ
+52.64である。
 つまり、坂本勇人は「
平均的な打者と同じ打席数に立った場合に比べて52点の得点をチームにもたらした」と言える。
 この成績は、広島カープの鈴木誠也に次いでリーグ2位である。
 
リーグで2番目に得点を増やした打者であると言っていい。
 これを考えると、キャプテンとしてどれだけ打撃でチームに貢献してきたかがわかる。
 
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現在のエース 山口俊
 投手で最もチームに貢献したのは山口俊であろう。
 不動のエースの菅野智之が不調の中、チームを牽引した投手である。
 沢村賞も射程圏内であるが、特出した成績を3つほど見ていく。
 
奪三振率

 山口俊の2019年シーズンのリーグ優勝時点での奪三振率は9.99である。
 ほぼ10.00という成績を残している。 

 一般的に、奪三振率は9.00を上回れば好成績であるとされている。
 奪三振率の説明をすると、例えば奪三振率9.00であった場合、「9回を投げ抜いた場合、9個の三振が奪える」という計算になる指標だ。これを考えると、奪三振率9.00を上回れば自身の投球回数以上の三振が奪える計算になる。
 奪三振をそれほど重要と考えていない方もいるかもしれないが、投手に取って自己責任で奪えるアウトは奪三振のみである。ゴロアウトやフライアウトは野手の守備能力に依存するためだ。
 山口俊の奪三振率9.99はセリーグ1位であり、これはすなわち「セリーグで自己解決能力が最も高い投手が山口俊である」と言える。
 この成績だけを見ても、山口俊はエース格であると言ってもいい。
 セリーグ2位の奪三振率は横浜DeNA今永昇太の9.90であり、比較的近い位置にいるが、山口俊の成績の方が勝る。  


被本塁打率
 山口俊の優れた成績を特に象徴するのが被本塁打率の良さである。
 2019年シーズンのリーグ優勝時点で山口俊は被本塁打率0.44を残している。
 先にも述べた奪三振と同様に、投手の責任が最も重い失点は被本塁打によるものである。野手の守備力に依存しないからだ。
 この被本塁打率0.44という数字はセリーグ1位である。これは「セリーグで最も自分の責任による失点が少ない」と言える。
 先述の「奪三振率による自己解決能力」に加えて「自己責任を負わない能力」も優れているということだ。
 これもまさにエース格である。

FIP
 山口俊の優れた能力を物語る最後の成績はFIPである。
 FIPとは、投手だけがコントロールできるものである被本塁打数、与四球数、奪三振数の3つの数字で算出される、擬似的な防御率である。
 この指標の利点は、野手の守備に依存しないことである。
 野球は守る野手によって投球の内容が変わってくることがある。
 エラーとは違い、守備範囲の広い選手や狭い選手がいることは間違いなくあり、これらを考えて投球を評価するのは非常に難しい。
 そのためFIPは、投手の責任である被本塁打、与四球数、奪三振数で簡単に防御率を決めてしまおうと考え出された指標である。

 FIPに関しては3.00以下に抑えれば優秀とされている。
 2019年シーズンのFIPは
2.69である。この成績もリーグ1位である。
 1つ目の奪三振率、2つ目の被本塁打率の進化でも述べたことを総じて、「自分で解決する能力、及び自己責任を負わない能力」がこのFIPという指標で全てわかる。
 リーグ2位は横浜DeNAの今永昇太の3.24であり、山口俊の方が明らかに上である。

まとめ
 少々長くなったが、チームに大きく貢献した2人の選手の成績を見てきた。
 坂本勇人はホームラン、OPS、出塁率、wRAAで大きくリーグ優勝に貢献し、山口俊も奪三振率や被本塁打率の良さに伴うFIPで大きくリーグ優勝に貢献した。
 これからプレーオフを見据えての布陣にチームを調整していくことが必要であるが、この2人は不動の戦力としてクライマックスシリーズ、日本シリーズで大きくチームに貢献することだろう。

関連記事


参考にしたサイト
1.Wikipedia
2.日本野球機構,NPB.jp
3.スポナビ
4.読売巨人軍公式WEBサイト
記事終了





はじめに
 2018年シーズン、日本一を逃したが、広島カープはやはり強く、2018年に3連覇を成し遂げた。
 一方、巨人はギリギリで3位に滑り込み、4位になる可能性もある危ないシーズンであった。
 広島と巨人はなぜここまで差がついているのか?
 本記事では簡単にそのことについて述べる。
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投手陣の違い
  投手陣に関して、先発投手は広島よりも巨人の方が良かった。
 先発防御率は広島が
4.26で巨人が3.62であった。
 しかし、中継ぎ投手の防御率は広島が
3.87で巨人が4.12であった。
 つまり、広島の方は「序盤に打たれるが、後半に粘りを見せ、失点を防ぐチーム」であるのに対し、巨人は「序盤はある程度抑えるも、後半に打ち込まれるチーム」であったのだ。
 中でも中継ぎ投手の奪三振能力の差も、順位の差をつけた大きな要素である。
 広島の中継ぎ投手の奪三振率は8.36、巨人は7.25であった。
 フライボールを打たせることは、得点に繋がりやすいことがメジャーリーグで証明されている。
 三振が奪える、つまりフライボールを打たせないことも差がついた大きな要因である。

野手陣の違い
 野手陣は打率、出塁率、ホームラン数、OPS、wOBAの全ての指標で広島が巨人を上回っていた。野手の育成、獲得が巨人の急務である。
 最近では岡本和真などの若手選手が台頭してきてはいるが、広島の丸佳浩ほどの成績ではない。鈴木誠也などの野手に似た野手も巨人は育成しなければならない。

野手陣のwOBAの推移
 広島のwOBAは下の図のように2016年から高い水準を維持している。2015年は少々下降したが、それでも上昇して現在の打線を作り上げた。

 wOBAとは出塁率やOPSなど、打席での結果で決まる数値であり、簡単に言えば、「
打者が各打席でどのくらい得点に関係する打撃をしているか」ということを評価する指標である。
 つまり、wOBAが高ければ高いほど得点に絡む能力が高いと言える。


広島のwOBA

 巨人のwOBAは下の図のように低い水準を維持する傾向にある。得点能力が低いのだ。
 2018年は少し盛り返したが、それでも敗北した。

 この得点能力の差を埋めるには、育成すること、そしてFAでの選手獲得をすることも必要ではあるし、来シーズン以降は長打力のあるwOBAの高い選手を即戦力としてドラフトで指名するといったことをしないといけない。

巨人のwOBA

 能力差は間違いなくある訳で、原監督の新体制で今後はFAでの選手獲得や育成を行っていくはずである。
 巨人は現状の一軍戦力では勝てない。
 今後、これらのグラフがどのような推移になるのかによって、巨人の順位は大きく変わる。
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まとめ
 最後に総括として、広島と巨人の差は簡単に言えば「中継ぎ投手の粘りと奪三振能力の差、そして野手陣の得点に絡む能力の差」であった。
 この能力差は現在の順位に大きく反映されている。
 巨人がこれらの能力差を埋めるには、若手野手の育成、そして澤村拓一や谷岡竜平などの中継ぎ育成をしていくこと、そしてFAでは炭谷銀仁朗などではなく、丸佳浩などといった戦力を獲得する必要がある。

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 西武ライオンズが2008年以来のリーグ優勝を決めた。
 本記事では、その西武ライオンズの強さを打撃面で徹底的に分析する。
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 西武ライオンズの主力として、菊池雄星や秋山翔吾、山川穂高など若きスター選手が顔を揃える。
 そんな西武のチームとしての強さはどこなのか? それは打撃である。

 まず、基本的な数字であるチーム打率。
 西武のチーム打率.273はリーグ1位である。リーグ1位どころか
12球団トップであり、異常なまでに打っていた。全選手を平均した打率が.273というのはリーグ優勝できるチームを象徴する成績であろう。

 西武は4番山川を筆頭にホームランも量産していた。チームでの総ホームラン数は優勝した時点で193本であり、これもソフトバンクと並んで12球団トップの成績である。

 しかし、ソフトバンクのチーム打率が.268であり、それほど打率には差がない。ホームラン数は同じである時点で、どこでソフトバンクと差を付けたのだろうか?
 それはチーム出塁率とチームOPSである。

 まずはチーム出塁率。
 西武のチーム出塁率は優勝時点で.352であり、パリーグ2位ソフトバンクのチーム出塁率.328におよそ.024の差を付けて12球団トップの成績を収めている。チームとして四球を選ぶ能力が確立されているのだ。
 名著であり、映画化もされた「マネーボール」の言葉を借りれば、
 「ストライクゾーンをコントロールできる能力が、じつは、将来成功する可能性と最もつながりが深い。
そして、ストライクゾーンを操る術を身につけているかどうか、最もわかりやすい指標が四球の数なのだ。
 と言われている。
 西武の強さの1つは、このストライクゾーンをコントロールする能力にあったと言える。
 出塁率は、牽制死や盗塁死などを除けばアウトにならない確率であるため、西武は打線に繋がりがあったとも言える。

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 次に、OPS。 
 OPSとは、セイバーメトリクスの指標の1つで、"出塁率+長打率"で算出される率である。
 その数値は得点との相関性が非常に高く、得点との相関性は高い順にOPS>長打率>出塁率>打率という関係があり、OPSが高い選手ほど得点に絡む確率が高いと言える。本ブログの記事、セイバーメトリクス 打者編(7) 得点とOPSの相関 において、その根拠となることを導いている。 
 これまで、ボテボテのヒットでも快心のホームランでも同じヒット1本と数えられ、算出されてきた打率をさらに広げ、1塁打から本塁打まで評価できる「長打率」、それと四死球を含む出塁率を合算することにより、1塁打、2塁打、3塁打、本塁打、四球、死球など打席で起こり得ること全てを評価できる、画期的な指標がこのOPSである。

 西武のチームOPSは.809であった。この数字は異常である。一般的にOPSは1人の打者が.700以上.799以下に収めれば平均以下、.800以上になれば並みの選手であると言える。西武はチーム全体で並みの選手の成績を記録しているのだ。普通、打てない打者がスタメンには2,3人下位打線にいることは多い。例えば巨人なら、小林誠司や吉川大幾のような選手がいて、その数人がOPS.600を打ち、チームOPSを下げてチームOPS.750くらいに収めるのが一般的である。つまり、チーム成績は並以下になるのが普通なのだ。
 しかし、西武はホームラン12球団トップの長打力と、12球団トップの出塁率によって、選手全体がチームの成績を底上げし、チームOPS.809という数字を叩き出せたのだ。山川のような選手がチーム成績を底上げしているという考えもあるだろうが、1人の選手の成績だけではこれほど良い数字は出ない。やはりチーム全体が打てる構成になっていたと考えられる。

 ここまでを総合すると、埼玉西武ライオンズの打線は「チームとして高い出塁率を残して繋ぐ打撃をすることができ、プラス要素として圧倒的な長打力を誇っており、チームの得点能力を異常なまでに底上げした打線である」と言える。

 これが、埼玉西武ライオンズの強さである。 

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